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愛がなんだのネヲンのレビュー・感想・評価

愛がなんだ(2018年製作の映画)
5.0
言わせてください、これは「私の映画です。」と。胸を毒槍で突かれたかと思うほど苦しくて、だけど堪らなく愛おしくて、本当に気が狂いそう。
世間一般の所謂"幸せな恋愛"からは逸脱している。けれど、誰がこの恋愛を「間違っている」と言えようか。

観終わった今、これ以上のキャスティングはないと言い切れるくらいキャストが良い。
お芝居だということを忘れそうになる。今日隣の家で起こっていてもおかしくないと思うほど、私たちの生活と距離が近い。だからこそ、自然にこの世界を受け入れて登場人物たちに感情移入できる。
今泉監督作品はいつもそうだが、必要以上に泣かせたり、叫ばせたりしないところにセンスを感じる…

食べ物と飲み物の描写が最高。
冒頭のテルコが作る味噌煮込みうどんとラストでマモちゃんが作るとある料理の対比が、2人の関係を本当に綺麗に表していてめ〜〜〜〜〜ちゃくちゃ良い(ここマモちゃんの料理は映画オリジナル描写)。
あとは作中に登場するビールや発泡酒。種類やサイズを使い分けることで登場人物たちのキャラクターに深みを出しているので、あまり気にしてない人にはしっかり観てほしい。

恋なのか、愛なのか、それともただの執着なのか…。散々悩んで、振り回されて、最後にテルコが選ぶ道がとても好き。
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