大一

愛がなんだの大一のネタバレレビュー・内容・結末

愛がなんだ(2018年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

好きだからこそ都合いい存在になってしまう女の人の話ぐらいに思っていたけどそんなものじゃなかった。もっと「詩的」で「文学的」で「哲学的」な「愛」についての話。自分が愛する人は自分を愛してくれない。そんなよくある話から、じゃあその人を愛するとどういうことなのかという点へと発展していく。愛されることを諦めるのが愛なのか、愛することを諦めてそばにい続けるのが愛なのか、それはどちらも正解でありどちらでも不正解である。「幸せになりたいですね」といった中原くんは幸せではなかったのか。序盤にテルコの同僚が、テルコに比べたら世界中の人は本当に好きな人と一緒にいないのかも知れない、だからこそ世界は回り続けられると言った。テルコの愛こそ本当の愛なのか、自己を捨て、時に幻覚を見ながら、愛を捨ててまで居続けたい執着の形は一体なんなのか。
中原くんの気持ちや境遇には共感できる部分があり公園のシーンでは染みてしまったがテルコの愛し方はさらに上をいくものだった。それにしてもつくづくマモちゃんはダメな男だった。
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