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愛がなんだの1984okのレビュー・感想・評価

愛がなんだ(2018年製作の映画)
3.7
何から話せばいいのか、何を取り上げてレビューすればいいのか分からないくらいずっともやもやしてるし、正直よく分からないまま終わってしまった。でもなんだかその分からない理由とか原因が何なのかは分かる気がするんですよね。

本気で人を好きになったことがない自分が偉そうに言うのも何だけど、テルちゃんが可哀想で抱きしめてあげたいなと思った。もしかしたらマモルがクソすぎて(個人的に)テルちゃんに同情してあげてるだけなのかもしれない、でも俺はテルちゃんは相手に尽くしたいただの良い子なんじゃないかと思う、てか俺はそういう子が好きです。鬱陶しいかもしれないし何でも先を見越してしてあげようとする女の子に申し訳なさを感じたり気疲れをするかもしれないけど俺は嬉しさの方が勝つ気がする。

逆にマモルはそういう人に甘えちゃうんだよと言ってたが、どこが甘えてたのか分からないくらい自分のことしか考えてないように見えたし相手の心情など考えられない人なんだと呆れた。
でも一方でマモルは本当に何の悪意もなくそういうことをする人間なんだろうし、世の中にはこういう人間もいるんだと思わせるような清々しさで、テルちゃんもそんな側面など全く眼中に入らずにマモルが好きでマモル中心の生活を送るようになる。その後一旦マモルと別離し、彼の人間性が分かった上でもマモルのことが頭から離れられない。"愛"も"好き"すらも分からないままマモルに執着するテルコ、執着することがアイデンティティとなってしまったのか、彼女を突き動かすものが何なのか分からない。それが存在するのかしないのかも分からない、でもそれから逃げられることはできないんだろうなって思う。

今泉監督作品はパンバスに続いて2作目だけど、特筆すべきはクソみたいなキャラクターでも憎めない登場人物のナチュラルさだったり愛嬌だと思うんですよね。演者の方の全く演技と思わせない自然な空気感。ナカハラが個人的に共感しすぎてテルコとの会話シーンで泣きそうになりました。

たらたら思ったままによく分からないレビュー書いてきたけど、描く側が見た側に全て投げ出された感があるからかなと思いました。理解不能で考えることができない部分と、考える余地がありすぎてよく分からない部分だらけで、結局よく分からない映画。でもなんだかずっと心に残る映画だと思います。
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