このレビューはネタバレを含みます
痛ましすぎた。
前作『最後の戦場』のラストで家に帰ったランボーはようやく安息を手に入れたはずだったが、一緒に暮らすわが娘同然の女性が実父に会いに向かったメキシコで人身売買組織に拉致されてしまう。
辛うじて助けだすも既に手遅れの状態で彼女はランボーの目の前で息をひきとり、怒りに燃えたランボーは牧場に罠を仕掛けて組織を迎え撃つ。
復讐心をむき出しにして戦うランボーの姿に2、3作目の様なヒーロー性はみじんもない。過剰と言ってもいい残虐描写もランボーがずっと抱えている心の痛みと怒りをこちらに実感させるために必要なのだと思う。彼はずっと悲鳴を揚げながら戦い続けてきたのかもしれない。
ラスト、自信も銃弾を受けているランボーは椅子に座り込むが、安否についてはややボカし気味にしている。
自分は、これ以上何かを失ない、心を引き裂かれながら戦い続けるくらいなら、ランボーを眠らせてあげてほしい、と思った。