豚アーニャ

THE GUILTY/ギルティの豚アーニャのネタバレレビュー・内容・結末

THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

アスガーの、緊急事態で人を救うために無茶をする行動はかつて彼が持っていた信念から来ていたのは伝わる。子供にもイーベンにも優しく言葉をかけたり、正義感のある真面目な警察官だったのだなと。
だから供述で嘘を付いて罪から逃れようとしたり、上司にはヘラヘラ話すのに身近な人に横柄な態度を取ったりしてるところに違和感はあった。それをふまえて、カウンセラーというセリフや薬を飲むシーンも含めて、アスガー自身が過去に心をすり減らして救われたかったのかもしれない。
彼にとって誰かを救う事が自分を救う事なんだと思った。やりがいをやっと感じられそうとか思っただけなのかもしれないけど。

映画の中でイーベンに「君はみんなから愛されてる」ってセリフから、パトリシアとの関係も冷めてるって事なのかなと思いつつ、嘘の供述に相棒を巻き込んだり、電話口でも愛想を尽かされたり周りから煙たがられる自分と比べたセリフなんだろうな。映画の中で出てきた名前の中で、唯一声が聞けてないのは妻のパトリシア。結婚指輪をはめてたからいつ頃出るのかなーと思って見てたら最後まで出なかったから、ラストの電話を掛けながらドアの前に立つシーンはパトリシアに掛けてたのかもしれない。いつもより帰りが遅い時間になったから「もしかしたら待っててくれてるかも」という気持ちだったのかもしれないし、ただ単に妻の声が聞きたかっただけなのかもしれない。けど結局電話には出ずに終わった。最後まで勝手な解釈をするけど、ラストはアスガーが飛び降りるのだと思う。行き詰まった自分の人生から罪を告白し、飛び降りを救い、自分も救われた。最後に妻の声を聞きたかった。ってことなのかなと思いました。

ブラインドを閉めた真っ赤なランプの部屋にいるシーンと、蛇のくだりで自分の間違いに気づいた空気は目を引きました。
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