THE GUILTY／ギルティのhitostubatagoのネタバレレビュー・内容・結末

一室で完結する物語で映像に大きな変わり映えがなく、BGMもない分、余計に電話越しの微かな環境音が耳に入ってきたり、電話のコール音の緊張感がリアルにこちらに伝わってきて、引き込まれた。
主人公は、電話を重ねるにつれ本当の状況を理解するのだが、この映画を鑑賞する側も、必死に電話の主を救わんとする善人な主人公が実は自分の罪から目を背けている、罪人であることが最後にわかる。少ない情報の中で所々に主人公のパーソナリティーも表現されていた。物に派手に八つ当たりしたり、酒を飲んでる相棒に、強引に車で現場に行くよう指示したり…。ちょっと難ありな性格なのも垣間見え、ほとんど触れられなかった主人公の罪だが、最後の告白に全て詰め込まれていた。電話の主を救うことで自分と向き合い結果的に自分が救われる。締め切った暗い部屋から薄暗い光の指すところへ出て終わるのも、心情を表しているようで良い終わり方だった。