Yoshishun

THE GUILTY/ギルティのYoshishunのレビュー・感想・評価

THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)
4.2
ずっとPC画面で展開される『search/サーチ』に続く、ワンシチュエーションサスペンスの良作。デンマーク発、緊急通報センターに勤める男性が、一人の女性の声を通して誘拐事件に挑む。

本作のタイトルがguilty="罪"を表す通り、ただ誘拐犯を追い詰めるストーリーに終着していないのが面白い。主人公は何故執拗に、しかも緊急通報センターという現場に立ち会えない立場でありながら事件解決に奔走するのか。その背景にあるのは、会話の中に隠された明朝の法廷。様々な罪と闘いながら、新たな犠牲を生まないために闘い続ける。それだけにクライマックスのどんでん返しが辛い。

全編屋内で展開され場面も切り替わらないため、映像はかなり地味である。しかし敢えて「すべてを映像で語らない」姿勢が本作の落とし所とうまく合致している。観客に想像を委ねる手法こそ、本作最大のトリックであり、真実が明らかになったとき大きなカタルシスを生み出す。

ストーリーが少々無理矢理に進んでいく印象があるため評価は少し控えめだが、全く新しいワンシチュエーションスリラーの良作であることは間違いない。必見。
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