LEONkei

CLIMAX クライマックスのLEONkeiのレビュー・感想・評価

CLIMAX クライマックス(2018年製作の映画)
4.0
柘榴色のサングリアは脈々と流れる体内の血液をドス黒く染めながら、狂気の絶叫で不条理な化学反応を起こすカタストロフィー。

血脈の奥底からからドクンッドクンッと地響きの様に静かに刻む時限爆弾は、張り裂けそうな圧迫された本能が解き放たれ理性の敗北を意味する。


選ばれた22名の男女は重低音に響くサウンドでキレキレのダンスパフォーマンスと他愛の無い下品な会話、狂気乱舞するダンサーのカラダは獣の様に本能に身を任せ畝らせる。

目を背けたくても目を背けられない、逃げ出したいけど逃げ出せない〝Gaspar Noé〟の世界は危険で中毒性を孕む。

脳内の奥を抉られる様に強烈で斬新な描写とライティングとサウンドによって覚醒し、不快の極限に放り込まれた子羊なら泣き叫びながら発狂してしまうだろう。


賛否両論も有り決して人には勧められないのが〝Gaspar Noé〟だが、自分では観ては不快の渦に堕ち鬱に戯れては後悔を愉しむ。

内容云々より三幕構成を忠実に〝Gaspar Noé〟の映像や構成力や音の使い方が好き、しかし二度と観たくないのも〝Gaspar Noé〟..★,
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