きゅうげん

ハロウィンのきゅうげんのレビュー・感想・評価

ハロウィン(2018年製作の映画)
3.9
オリジンの‘78年版『ハロウィン』から↓
「ジェイミー・ロイド:タイムライン」
「ジュディス・マイヤーズ:タイムライン」
リブート版「ロブ・ゾンビ:タイムライン」
オマケの番外編
……と、複雑怪奇な展開を見せるホラー・フランチャイズの『ハロウィン』シリーズ。
今回の三部作は、新たなタイムラインにして完結編です。

「ブギーマン」「シェイプ」など、彼にはいろんな呼び方がありますが、マイケル・マイヤーズが恐ろしいのは、正体不明の圧倒的“悪”そのものみたいな狂気の矛先が地域コミュニティーであるという不条理さ・理不尽さだと思います。
そのため、マイケル対家族という対立構造はシンプルながら理にかなっているかと。

ローリーが40年も燻ってサラ・コナー化するのは説得力に欠けますし、ホームアローン籠城戦にも目新しさはありませんし、取っ付きにくさはある一方で、過去のことはほとんど会話の内容で済ませちゃったり、殺戮から捜索までがとてもなめらかでジレンマ少なめだったり、思い切りの良さが功を奏しているところも。

本作最大の良さは、なんといってもやっぱり三世代にわたる主人公たち。
因縁のローリーお婆ちゃんはもちろん、母親役と言ったらこの人、ジュディ・グリア演じる健気だけど芯の通ったカレンお母さんに、クールで聡明な娘アリソン。葛藤や歩み寄りを経て、阿吽の呼吸で力合わせるクライマックスがカッコいい。
というか登場人物みんないいキャラしてますね。
とくに口の達者なジュリアン君とベビーシッターのヴィッキー。憎めないやりとりが微笑ましいです。

……いやそれにしても、いちばん悪いのは煽った医者とジャーナリストじゃん。
あと、牛刀ってあんなにアメリカ家庭へ普及してるモノなの?