このレビューはネタバレを含みます
出来るだけニュートラルな気持ちで見ようと思ったが、どうしても「ボヘミアンラプソディ」と比べてしまう。
「ボヘミアン…」が観客が見たかったフレディーをきれいに感動的にまとめていたのとは対照的に、同作はエルトン・ジョンの愛されなかった子供時代、同性愛の恋人の裏切り、アルコール・ドラッグ依存とネガティブな部分をこれでもかと見せてくる。その切り口はそれでいいと思うが…
いろんなエピソードを2時間に詰め込み過ぎて、まとまりに欠けていた。成功を掴むまで、信じていた人の裏切り、自殺未遂、女性との結婚、離婚… どれもかなり大きな出来事だと凡人の私は思うけど、どれもさらっと、通り一遍触れたという感じでこちらに感情移入する暇を与えない。
また、冒頭からしばらくはこれぞミュージカルというシーンが続くが、中盤はドラマ中心。忘れた頃にまた踊り出し、そうかミュージカルだったかと思い出す。大勢で歌い踊るシーンも画がごちゃごちゃして綺麗ではなかった。
完全に個人的な好みの話しだが、フレディーの派手で奇抜な衣装は今見ても斬新、スタイリッシュと思ったのに対し、エルトンのそれは悪趣味に感じ辟易した。