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キングダムのsのネタバレレビュー・内容・結末

キングダム(2019年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

魅入られた 134分でした

山﨑賢人さんを起用した理由も
吉沢亮さんを起用した理由も
そして 、大沢たかおさんを起用した理由も
痛いほど感じさせられる映画でした

幼い頃より 、共に大きな夢を見て
天下一の将軍に一歩近づいたのは漂
俺のことを気遣うな、と言う信を遮り
俺は行く、と言った漂の意志の強さと
2人の目から感じる強い野望
決して依存や馴れ合いではなく
同じ夢を見続けている「同志」としての関係性を見せつけられました

死ぬ直前に信に託した漂の思いを
何度観たら 、少しでも受け取れるのか
血塗れになりながら 、震える声で
俺を天下に連れてってくれ
信、託したぞ と言った漂
同じ夢を見続けていた漂から託された信

友情より 、愛情より 、
強すぎる絆を深めたのは
彼らの持つ 大きな野望

悲しみ 怒り 悔しさ
様々な感情が混濁した信の咽び泣く姿を
私は一生忘れることはありません


又、漂と共に培ってきた剣術
若さがあってこそ出せる
息を呑むような速さと鮮やかさで
これでもかと魅せられましたが
主演の山﨑賢人さんだけではなく
嬴政役の吉沢亮さん
長澤まさみさん
御三方共に思わず拍手を送りたくなるほどとても鮮やかでした

そして 、王騎役の大沢たかおさん
人間はあんなにもオーラを纏えるものでしょうか
人間はあんなにも人間を圧倒させられるものでしょうか
恫喝するでもなく 暴れ回るわけでもなく
非人道的な訳でもなく
ただ そこにいるだけで
後退りしたくなるような存在感でした
圧倒的でした
映画というのは 人生のワンシーンと取れる訳ですが
そのワンシーンの中で
天下一になるに相応しい
成る可くしてなった そうまざまざと思い知らされる人でした
昌文君が最後に言う台詞
私は 「掌の上で転がされていた」 と言うのかと思っていました
「所詮は盤上の駒」
掌の上でさえなかった 意思を持つ人間でさえなかった
膝から崩れ落ちるような思いでした


幾度となく信と嬴政の目の強さに
溜息が盛れてしまうほど魅入られましたが
それは俳優 山﨑賢人の鋭い射抜くような目と
俳優 吉沢亮が持つ桃花眼の魅力を存分に引き出されていた作品だと思います

成蟜と戦うべく 出向いた王宮にて
二手に別れる際に信が言った

「また後でな」

第三者であり傍観者である人間が読み取るには難しく
軽率には出来ない程 、色々な感情が混濁していて
ああ 漂の意志を嬴成と二人背負っているのだと
確り感じられたのはそれだけです


中での戦いを終え嬴政の前に姿を現した信に対して重く重く放たれた

「待ちわびたぞ」

嘘ではなく 、冗談でもなく 、
私の心の声と嬴政の声が重なったようでした
待ちわびた 待っていた
身を呈して 耐え忍べば勝ちだと言えるほど
彼は信を信頼していた

それはまるで 嘗て2人と共に生きていた唯一の人間
漂の信に対する想いに似ていた気がします

嬴政が王となる世界を私も見てみたかった

映画 KINGDOM
今を生きる俳優さん達の
美しさを感じました
強さを感じました
圧巻でした

感情が渦を巻いた 人間の醜くも美しい姿を
KINGDOMで見ることが出来て
私の大好きな 「山﨑賢人さんの演技」に魅了させられて
心の底から嬉しかった


言葉で伝えきれるほどの作品ではございませんので
是非 、沢山の人に劇場で観て頂きたい作品です
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