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デュエリスト/決闘者の一人旅のレビュー・感想・評価

デュエリスト/決闘者(1977年製作の映画)
4.0
リドリー・スコット監督作。

19世紀欧州を舞台に、15年にも渡って決闘を繰り返した二人の男の生き様を描いたドラマ。
独特の慣習である決闘については知らないことが多々あった。異なる階級同士の決闘は軍紀違反になるとか、介添人が必要だったりとか、命よりも何よりも名誉を優先するとか。紳士的な殺し合いというのもおかしな話だが、一定のルールのもとで“正式に”行われるものだから儀式的要素も多分に含まれていたようだ。
デュベール中尉に度々決闘を申し込むフェロー中尉にハーヴェイ・カイテルが扮している。フェローは決闘狂のような男で、デュベールの息の根を止めないと気が済まない。デュベールもデュベールで、名誉を問われる決闘を拒否することができないのだ。決闘を拒否することはすなわち自らの名誉を汚すことになってしまう。
決闘シーンの緊張感はなかなかのもので、馬上の一騎打ちや銃を使用した決闘などバリエーションに富んでいる。
19世紀欧州の風景も美しく印象的だ。特にラストショット。山の背後から陽が射し込んだ原風景を上方から一望する画のあまりの美しさに息を呑んでしまう。圧倒的自然美を前にすると、男たちが長年大切にしてきた名誉も極々ちっぽけなものに思えてしまう。
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