やや

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデンのややのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

言われた内容をタイプするだけではない、自動手記人形の代筆という行為は、教養があり、人の心に寄り添い、その人が伝えたいことや相手の気持ちを想像できる人にしか務まらないと私は思うので、対話の時にたびたび失言をするヴァイオレットが世界から絶賛される素晴らしいドールだと言われても納得ができなかった。
上記の理由でTVアニメ版は「どうして?」と思うことが多かったけれど、今作も冒頭で少しあったもののそれ以降は少佐との話が主でドールとしての仕事が控えめだったおかげかあまり気にならず観れて良かった。

美麗な絵は言わずもがな素晴らしく、効果音スキーな私も気持ちよく聞ける効果音が多く心地良かったな。声優さんも良し…!

ドールとしての仕事の話は私は「みんなは泣ける良い話なんだろうな」くらいにしか思っていないのだけど、仕事を取られると電話を疎んでいたアイリスがユリスに電話で会話させるっていう設定は良かった。抵抗や寂しさもありつつ、こうして文明は変わっていくのね。

少佐のトラウマについては既存のシーンを流すだけじゃなく、心情とかをもっと深掘りしてほしかったかも。
少女の幸せな人生を奪ったと自責の念にかられて会うのが怖いのは理解はできるけど、連絡を取らなかったり最後までウダウダしてる理由の描写が(私目線では)弱くて、ホッジンズさんと一緒に「大馬鹿野郎ォー!」と怒りたくなってしまう。笑
もっと言うなら恋愛ではなく家族愛のようなものであってくれたら好みだったかな…
というか、ホッジンズさんが好きだから彼の親心の方が感情移入してしまったよ。幸せになってほしい…

正直、泣きも感動もせず淡々と観ていたけれど、「2人とも良かったね、お幸せに…」という祝福の気持ちで観終えたし、個人的に不満の多かったTVアニメ版から劇場版で綺麗に終わってくれたので観て良かったな、とは思いました!
やや

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