双葉レイ

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデンの双葉レイのネタバレレビュー・内容・結末

2.9

このレビューはネタバレを含みます

非常に悩ましい映画でした。

音楽・作画を含む絵作りは非常に丁寧かつ繊細で文句なしのクオリティでした。
商業的な忖度を感じさせない真摯なモノ作りを久しぶりに感じることが出来て非常に熱い映画だったと思います。
この点だけでも映画館で観る価値がありました。

ただ一点だけ、ギルベルトが生きているという設定のみがどうしても受け入れられませんでした。
ヴァイオレット・エヴァーガーデンは愛という言葉の意味を知る過程を丁寧に描いた作品ですが、その根底には『大切な人(ギルベルト)が側にいない』という物悲しさを孕んだ構造になっていると思います。
その世界観の根底となる部分を変えてしまうのはどうしても許容できませんでした。

ヴァイオレットは本当に純粋な感情を持った可愛らしいキャラで、「これ以上辛い気持ちにさせたくない、幸せになってくれ……」と願わずにはいられないのですが、ギルベルトが生きているとは別の方向で物語を着地させて欲しかったなと思います。
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