公開当時にも劇場へ足を運んだが、
大好きな『シャイニング』の続編である
本作を久しぶりに再鑑賞。
前作とは大きく違う作風だが、
キューブリックによる脚色が強い
前作よりもスティーヴン・キングらしい
オカルト要素や残酷描写もあるだけに、
原作の雰囲気に寄せた続編として
好きな作品だった。
物語は展望ホテルでの出来事から約40年後、
病院の職員として死に瀕した患者を
シャイニングの能力で慰めていた
ダニー・トランスだったが、
強力なシャイニングを持つ故に
半不老不死のカルト集団
トゥルー・ノットに狙われる
少女アブラと出会う事となり、
アブラを助けていく中で再び呪われた
展望ホテルへ訪れていく内容となっている。
原作と大きく違う作風となった
キューブリックの『シャイニング』だが、
そこから逃げる事なく続編として
原作『シャイニング』とも掛け合わせている
のには好感が持てた。
時折にフラッシュバックかのように
映画『シャイニング』の場面が再現され、
その再現具合やリスペクトに
オマージュは映画版ファンとして嬉しかった。
中盤まではオカルト超能力バトルが
繰り広げられる印象だったが、
終盤では展望ホテルが舞台となって
懐かしのBGMと共に
見覚えのある悪霊達と再会するのが
良いカタルシスだった。
物語としても、悪霊によって
狂わされた父親ジャックと同じ道を
歩んでいたダニーがトラウマと向き合い、
悪霊や死への恐怖に対する
受容といった人間の内面的な克服が
要となっていくのも良かった。
しかしながら、
物語としてダニーとアブラが
出会うのは中盤であり、
そこに至るまでの描写が丁寧ながらも
長く感じるところだった。
ダニーとアブラがそれまでに
能力で引かれ合っている黒板の描写も
初見では理解しづらかった。
敵勢力であるトゥルー・ノットの面々に
関しても中途半端な印象で、
吸血鬼染みた趣向や能力を持ちながらも
脅威的かと言われると弱く、
普通に呆気なく銃撃戦で
対処できてしまうのが問題にも思った。
又、アブラやダニーが能力者として
強いのも彼らを弱く感じる要因でもあった。
前作の怪奇ホラーと比較すると
オカルト超能力ホラーで好みが
分かれると思うが、
前作では力が発揮されていなかった
シャイニングが重要となる
ダニーの後日談として好きな映画だった。
とりあえず、いくら不老であっても
車のシートベルトは着けよう。
