エアール

ドクター・スリープのエアールのレビュー・感想・評価

ドクター・スリープ(2019年製作の映画)
3.7
山頂に位置する展望ホテルにて
未来を予知できる、特殊な力を備えた少年と彼の両親に降りかかる怪異を
描いた”シャイニング”からおよそ40年あまり。
その正統続編ということで
いよいよ公開となりましたね。
気にならないはずもなくいざ鑑賞へ!!


ほんで早速でなんなんですけど
”シャイニング”の続編ってポイントをあまり意識しすぎず、
まったく別物の作品として捉えた方が
楽しめると思います。
もちろん登場人物や過去に遡るような場面などでは
前作の内容に絡む部分もなきにしもあらずなのですが、
悪霊が棲む展望ホテルという、閉鎖的空間をステージに
恐怖なり、悪意なりがジンワリと迫ってくる”シャイニング”とはまた趣が違って、
本作ではサイキック能力を駆使したアクション色が濃く出ていますし
ステージもあっちこっちと巡り巡るので
前作とは受ける印象が全然違うでしょう!!
そういった部分では
前作か、本作かで問われると
個人の好みで分かれると思いますね。
自分はニコルソンがたまらなく好きなので
それだけで前作選んじゃうんですけど、笑
そういう意味では
”シャイニング”を観ていなくて
本作から鑑賞した人でも、
十分に楽しめる内容になってると思います。
ストーリーも設定も決して複雑ではないため
割と観やすいんじゃないかな〜というのが
個人的な感想です。


時を経て
ダニーも渋みのあるおじさまへと
なってしまいました。
ユアン・マクレガー扮する彼が本作の主人公。
およそ40年前に展望ホテルで
父親のジャックに母ともども殺されそうになった一件がトラウマとなり
それ以降、備わっている能力=”シャイニング”を使わないようにし
隠れるように生きてきたダニー。

未来予知、霊感、透視能力、テレキネシスなど
世の中にはこういったサイキック能力を持つ者が存在する。
ダニーもまたそのうちのひとり。
力には強弱があって
力を持つ大半の者は自覚がありませんが
ごく稀にその力の大きさから
自覚があるも者もいる。
能力は子どもから大人になるにつれて
だいたいは失われていくが
それに倣わず大人になっても
力を持ち続ける者の存在も。。

こうしたサイキック能力が持つ良質な生気を餌に
長く生きながらえる邪悪な集団、トゥルー・ノット=”真の絆”言うてたな〜
ってのがおりましてね。
本作では一応ヴィラン的な位置づけになるわけなんですが。
肉食のハイエナは
獲物の血を飲み干し、肉を喰らいますが
こやつはらは血や肉に興味はなくて
代わりに生気を啜る連中です。
常に飢えていて底無しの”食欲”がある点について言えば
ハイエナと同じですね、笑

サイキック能力の多くは子どもの方が強く持っている傾向にあるため
トゥルー・ノットの連中は獲物として
必然的に子どもを狙うことが多いわけです。
集団のリーダー格、ローズを演じるのがレベッカ・ファーガソン。
相変わらずの美貌とボディラインがなんとも素晴らしい、笑
彼女に生気を吸われるなら
それもアリかもな〜と一瞬で考えてしまう自分がいるのも
困ったもんです、笑

ってなわけで
全国で児童の失踪事件が相次いで起きており
もちろんそれらの裏にはトゥルー・ノットが絡んでいるわけなんですけど、
並外れたサイキック能力を秘める中学生の女の子、アブラは
ある時その能力でトゥルー・ノットによる少年の惨殺を目撃し、
彼らの存在を知ってしまう。

だがそのことがきっかけとなり
これまで感じたことのないパワーをもつアブラの存在も
ローズたちに知られてしまうのであった。
極上の生気を味わうために
アブラの所在を探し出そうと動き始めるローズたち…


一方で
アブラはテレパシー能力を使い
幼少期の頃からある人物と交流、時にシンクロしていた。
そしてその人物こそが、勤務先のホスピタルでは”ドクター・スリープ”と呼ばれる中年男性ダニーなんですね〜。

大人になったダニーですが、
幼少期の頃からもつ能力=”シャイニング”は成長とともに失われることはなく
今もまだ能力を持ち続けている。
彼の内に棲む、恩人にして師と仰ぐハロルドの助言もあり
交信していた少女アブラの身に危険が迫っていることを悟ったダニーは
アブラと合流しトゥルー・ノットとの戦いに身を投じていくのだが…


以降の展開で
ダニーの少年時代のエピソードを描いた”シャイニング”の舞台でもある
展望ホテル=オーバー・ルックへと
どう繋がっていくのか、
それから見所となる、ダニー&アブラとトゥルー・ノット、そしてホテル着後は棲み着く悪霊たちも目覚め始めるため
そこら間で繰り広げられるサイキック・バトルですね!!
死霊には勝てないような気がする、というのが個人的な見解ですけどね、笑
なんせ死んでますし。。

サイキック能力者たちの生気を啜るトゥルー・ノットの連中も
姿形は”人間”ですけど、
その得体の知れない中身と
生気が目の前に出ようもんなら
獲物に群がる肉食動物同様のあの行動、異様さにゾクゾクさせられました。
不気味ですし、悲鳴や痛み、恐怖心が増すほどに美味しい生気が出るという設定もあることから、
子ども相手でも容赦なく痛めつけるあたりなんかは
観ていてオォ〜ってなりましたね。
ローズ役のファーガソンが率先してやるんですけど
ついつい美貌に目がいってしまって
これはこれで別の問題がありますが、笑


ここ最近は
スティーヴン・キング原作のオンパレードですね。
子どもの頃に経験した恐怖やトラウマに
大人になってから再び対峙するのを
2部作で描かれている点については
大ヒットの”IT”でも見られる共通点ですし、
来年にはペット・セメタリーのリメイクの公開も控えております。
いずれにせよ
引きつけてやまないストーリーがどの作品の根底にもあるわけなのてわ
オリジナルで観ようが、リメイクで観ようが
やっぱり面白いにちがいないです。
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