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ある官僚の死のCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

ある官僚の死(1966年製作の映画)
4.0
【えっハロルド・ロイド系?】
キューバ映画!

本作は丁寧にも、黒澤明やオーソン・ウェルズの謝辞から入る。そして、展開は、『わたしは、ダニエル・ブレイク』や今の日本の役所にも通じる「役人盥回し芸」だ。

労働者が死に、葬儀が行われたのだが、遺族が年金受け取ろうとしたら、「彼の労働者証を持ってこい!おととい来やがれ!」と言われる。墓を掘ろうにも、許可が必要で、ドキュメントが足りないと追い返される。痺れを切らし、勝手に墓を掘り埋めようとすると、これまた許可が必要で、例外処理による盥回し無限ループ地獄へと陥る。役所は退社の鬼!長蛇の申請待ちの末、あと一歩のところで、定時バイバイを決められてしまう、、、

こう聞くと社会派ドラマに感じるが、実はベースがバスター・キートンやハロルド・ロイドなのだ(『ロイドの要心無用』もろコピーシーンもあるよ!)。労働者の死亡シーンはチェコアニメのような切り絵で表現されている。

トマス・グティエレス・アレア、手数が多い!そして、『低開発の記憶』より断然面白いではないか!

自分の職場が1960年代キューバさながらの状態に気づき、ショックを受けつつも大満足、一本満足!なのでした。
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