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マチネの終わりにのannnouimoのレビュー・感想・評価

マチネの終わりに(2019年製作の映画)
3.1
あ、ジェットストリームの曲だ、あの曲はこの映画だったのか〜。音楽はとても素敵だった。映像も美しかった。大人の美男美女も絵になって美しかった。「未来は常に過去を変えている」というセリフと主題も素敵だった。

しかし、ここから辛口。多分ネタバレしちゃいます、

ストーリーが胸糞ですねぇ…。原作は読んでないんだけど、原作に忠実な感じなんでしょうか?

まずな、男。ちゃんと仕事せい。気分で演奏に支障が出るとかプロ失格やろ。で、美女を見て今までの鬱々気分も吹っ飛んで一目惚れて、ちょっと子供っぽすぎないですか?やたらと理想が高そうで、現実世界を生きてたら多分ろくなやつじゃない。あと、マネージャーに任せすぎ。自分のことは自分でしーや。

次、女。婚約者がいると言いながら、ちゃっかり連絡先交換してんじゃないわよ。で、いろいろ身勝手なことした末に元サヤに戻ってんじゃないわよ。そりゃ根に持たれますわ。きっと人の気持ちに鈍感な、天然お嬢様なところあるんだろうな。
すれ違いの元凶はこの人にも一部あるように私は思う。一方的な別れのメールで「はいそうですか」と全てなげうって日本に来たのに受け入れられるもの?もっと食い下がったりケンカするのが普通じゃない?物わかり良すぎるというか、自分をさらけ出せてない。

で、マネージャー。この人の胸糞については言わずもがな。気分悪すぎて、引き裂かれる二人がかわいそうになったわ。しかしこれも、後々のうっとり演出を盛り上げるエッセンスに過ぎないわけで…
一度ならず二度もやらかすなんて、破壊神と名付けるにふさわしい人材。

そこそこの年齢で結婚したそれぞれの夫婦に当たり前のようにあっさり子どもが生まれるのもちょっと違和感。

あと、世界中飛び回ってる設定、はたして必要だったのか疑問。特に伊勢谷友介は日系人の設定で英語だったけど、日本人同士の設定で日本語で話すでも良かったのでは…。

雰囲気はいいんだけど、掘り下げるといささか共感しかねる、そんな映画。
自分自身もこの年代に足を踏み入れつつあるからだろう。

しかし、時が経てば見方も変わるだろうか。
毎晩聴くジェットストリームの調べで日々の記憶が塗り替えられていくかもしれない。そう、未来は過去を変えていくのだから、この映画を好きだと思う時も来るかもしれない。
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