ぽーちゃん

マチネの終わりにのぽーちゃんのレビュー・感想・評価

マチネの終わりに(2019年製作の映画)
3.4
これって、平野啓一郎の作品だったのね。

耳覚えのあるパトカーのサイレンが心に響くパリ、セーヌに架かる橋、明るい街角のマドリード、アタシも朝に着いたことのある大崎のバスターミナル、まだ未踏のニューヨークの街並みやカルキン坊やの映画で馴染みのあるThe CentralParkなど、とにかく景色の切り取り方が美しい。
洋子の長崎の家は、石田ゆり子がいたからか、『解夏』の陽子(この時も石田ゆり子はようこ、だった)が訪れた隆之の家のように見えた。
そして何より、ギターの旋律がどこまでも美しい、、、、、、、。

石田ゆり子はやはりこういう役が一番しっくりと本領を発揮している。

青年になった『龍馬伝』の子役を観た後に、もう若くはない龍馬役の福山。
髭はアカン😰
そして、何故か昔ほどときめかなくなっていたのは彼のオーラが薄れたというよりはアタシの感度が落ちたのよね、きっと、、、、、。

未来によって過去は変えられる、という大人の童話。
「再生」を予感させて終わるラストシーンで良かった、、、、。
でも、狭量なアタシは、未来を贈ったとしても、二人を引き離す企みをした過去は赦せない。
未来によって修正する(せざるを得なくなった)過去は、そうしないでいたならば失わずに済んだものが多過ぎる、、、、、。
結局、美しく見える大人の童話の中には、自分の気持ちとは裏腹に親と引き離される子どもの気持ちは置き去りにされたままなのだから、、、、、。
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