めーぷる

アルキメデスの大戦のめーぷるのレビュー・感想・評価

アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)
4.0
ネトフリ解禁されていたのでさっそく。
刻一刻といのちが失われていく戦場の背景で奔走する学者の話は大好物なのでとっても楽しめた。
どれだけ優れた頭脳があっても、導く未来は結局戦争で…という残酷さがたまらない。

数式やその根拠について、私に学はないけれど何となく甘いなあという印象はあった。数式を解くシーンの、数字が浮かび上がるCGは必要だったのか…。
その一方で、櫂のひたむきな姿勢(本人は正義感からというより学者としての好奇心故なのだろうが)を見た人々が味方になっていくヒューマンドラマ的アツさがあって良かった。櫂と田中のやり取りがコミカルで、戦争映画でありながら心温まる。

会議のご老人共は誰もが本質を理解しておらずイライラすることもあった。
その中で問題の根幹、建前とロマンを理解し合えてしまった櫂と平山の関係に胸が熱くなりつつも、残酷な現実に頭はぞっと冷たくなっていく。平山役の田中泯の演技が素晴らしかった。

戦艦の向かう先は曇り空…美しいCGで魅せられる良い映画だった。
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