Violet

アルキメデスの大戦のVioletのネタバレレビュー・内容・結末

アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

あの~もうほんと、めちゃくちゃ大満足。
菅田将暉が出てるしなんとなく面白そうだから観にいこう〜!っていう軽いノリで観に行ったんだけど想像以上に面白い映画だった..!
朝活して見にいった甲斐があった〜
レビュー長くなるけど書きたい事全部書きたい!

あらすじとしては、来る戦争に勝つためには空母が必要であるとする山本案と従来通りの巨大艦隊を推す平山案とが対立する中で、平山案の巨大戦艦がありえないほど低い見積もりで提示される。では軍資金もなるべく使いたくないところだし巨大戦艦で行こう、と決定しそうになったところを、舘ひろし演じる山本が数学の天才・櫂直(菅田将暉)をスカウトし、巨大戦艦の偽装を暴こうというもの。

この映画の面白いところはなんといっても映画冒頭で空母案は破れて巨大戦艦が造られることを観客に見せていること。それだけではなく、巨大戦艦が空母と比較して驚くほど劣っていることや、乗組員ともども転覆してゆく様まで見せられる。
では結局櫂は巨大戦艦の偽装を暴くことはできないのだろうか、、、絶対に空母をつくるべきなのに、、!そんなことを思いながら映画を見ていく。

櫂が鉄の重さだけで戦艦を作るための費用を算出する計算式を導き出したとき、やったやったやった!やっぱり正義は勝つんだ!うおおおおおっていうレベルで大興奮して見ていたんだけど、あれ?じゃあどうして巨大戦艦が造られたの?まさかまた何も考えてないトップが戦艦の方がかっこいいからとか言い出したんじゃないだろうな、、
とか思っていたら
ここで思いもよらなかったまさかのどんでん返しが起こる。巨大戦艦を設計した平山は、「日本がアメリカに勝てるはずがない」ということを確信して、巨大戦艦をつくることにしたのだった。

「日本人は負け方を知らない。きっと最後の1人が殺されるまで戦いは終わらない。そうなったときこそ、この国は本当に終わってしまう。しかし、巨大戦艦があったらどうだろう。」
このシーンで鳥肌が止まらなかった。
「日本という国をこの巨大戦艦に背負ってもらうのだ。この戦艦が打ちのめされるとき、それが日本の敗北だ。この戦艦の名前はもう決めてある。大和だ。」
巨大戦艦・大和は、日本が本当の意味で滅びてしまわないように造られたいわば身代わりだった。打ちのめされ、木っ端微塵になることが想定された上で、いや、そうなるために造られたのだ。日本が敗北を認めることができるように。

誰もが日本を思って動いていた。戦艦よりも空母が優れていることをいち早く知り、本気で日本の勝利を信じた山本。偽装を暴き、真実を日の目にしようと奮闘した櫂。そして日本国の存続のために汚い手を使ってでも巨大戦艦を作ろうとした平山。

答えもないし正解もない。正しいこととは何なのか。本当の正義とは一体何なのか。それを考えずにはいられなかった。

櫂が大和を見て涙を流すシーンでは、彼には見えていたのだと思う。希望に目を輝かせ、大和に乗って日本の勝利を喜ぶ光景を思い浮かべる他の軍人とは違った光景が。無残にも沈んでゆく大和の未来が。そしてわたしたち観客も、映画冒頭で見た無残なまでの大和の最後の姿を思い出してしまうのだ。

役者さんたち揃いも揃ってみんな素敵だったけど
田中少佐役の柄本佑めっちゃよかったな、、あの人の存在で櫂が偽装を暴こうと奮闘するシーンがより一層際立った気がする!

この原作は漫画で、まだ最終回を迎えていないらしいんだけど、漫画もすごく気になるなあと思った。
Violet

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