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15年後のラブソングのmiumiuのレビュー・感想・評価

15年後のラブソング(2018年製作の映画)
4.5
レビュー流れてこないなあと思ったら、上映している映画館、予想以上に少ないのね…!

宣伝がてらネタバレなしの感想書くべきなんだろうけど、とっても好みで自分には響いたからちょっとネタバレしちゃうかも。
これから観る方は念のため鑑賞後に読んでください。


ニック・ホーンビィ原作小説の映画化。
20年前に表舞台から姿を消した伝説のミュージシャン、タッカー・クロウと、彼のファンサイトを運営する熱狂的なファンのダンカン、ダンカンの腐れ縁的パートナーの主人公アニー。
3人の奇妙な三角関係を描くストーリー。


まず、邦題とあらすじ観てヒューマンドラマかと思って観たら、まさかの大人のロマンティックコメディ。
既に映画館で2回鑑賞、コメディと認識して肩の力を抜いて観たらめちゃめちゃ笑えた!
イーサン・ホーク自身が歌う挿入歌含め、音楽がとっても良い。
イーサン・ホークファンは必見!



40歳一歩前になって、「自分には他の生き方もあったのでは?」と思いつつ、恋人ダンカンとの生活を変えられない主人公アニーには共感。
ローズ・バーン、作品によって派手な美女から自然体な役までやっていてすごいなあ。
今回はいい具合にくたびれた役作りがリアル。

そんなアニーが、ダンカンが心酔するタッカー・クロウとふとしたきっかけで友人になる展開は、ある意味ファンタジー。
自分とは違う世界の人だからかえって自然体で悩みを話せるのが、アニー目線で見てもタッカー目線で見てもこれまた共感できる。

タッカー役のイーサン・ホークは、お腹の出たボサボサ頭のダメ男なのにチャーミング。堪らなくイイ。
(この作品、完全にイーサン・ホークのファン向けムービーだよ。繰り返し言うけど、イーサン好きな方は必見!)

タッカー・クロウのオタクでアニーの話をロクに聞かないダンカンにも、ヤキモキしつつところどころ妙に共感。(だって私もオタクだから笑)
アニーの妹がサバサバした同性愛者だったり、脇役も個性的で魅力的。

そんな中で一番目に留まったのは、タッカーの息子ジャクソン役のアジー・ロバートソン。
観たことあると思ったら、『マリッジ・ストーリー』でも息子役で出演していた子だった。
ダメ男なパパとそれでも仲良し、パパを見る目がキラキラ印象的。
セリフのない演技から、タッカーがダメ男なりに別れた妻と距離を保ちつつ、パパ業には奮闘してきたことがわかる。

ラブストーリーでありつつ、最終的には大人が自分の生き方を模索して選択する話。
いくつになっても自分の生き方を自分で決めていいんだ、と勇気づけられた。
エンドロールで示されるラストにもホッコリ、良質なロマコメだわー、好き!

90年代ロックを意識した音楽もgood! サントラもリピート確定。
これはDVDリリース&配信されたら繰り返し観ます。

これを機に、イーサン・ホークとローズ・バーンの出演作も追いかけようかな。

※パンフレットも薄めながら、挿入歌の解説が一通り載っていて読み応えアリ。
映画館で観られる人はぜひチェックして!
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