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ふたりの女王 メアリーとエリザベスのmaiのレビュー・感想・評価

3.5
シアーシャ・ローナン演じるメアリーの「愛に生きたい」という気高さと、「私は正統な後継者」という意識が与える若干の傲慢さが良かったです。

これ、スーサイドスクワッドで一躍日本で人気になったマーゴット・ロビーとセットで推したいという意図なのでしょうか…?邦題は「ふたりの女王」とダブル主演かのように広告してますが、原題通りこれはメアリーの話です。そこにマーゴット・ロビー演じるエリザベスも絡んでくるけれど、絡んでくるってだけで、メアリーが主軸の映画ってことに変わりはありません。

メアリーとエリザベスの攻防を描くのかなと思ってたのですが、どちらかというと、メアリーの周りがどう変化していくのかを描いた作品でした。メアリーも成長はしていくのですが、彼女の根本的な大胆さと傲慢さは変わらないので、その点での見応えはあまりなかったかな…と少し残念です。
ただ、シアーシャ・ローナンはやっぱり最高に雰囲気を醸し出せる役者だなと思いました。初めは女王役に若すぎるのでは?と思いましたが、ラストのシーンは気高さもあって素晴らしかったです。
そしてマーゴット・ロビーってやっぱり七変化できてしまう役者だとも感じました。いくつか彼女の出演作品は見たけれど、「ふたりの女王」はこれまた今までとは違った雰囲気で、老いていく女王という難しい役を上手く演じてました。彼女もまだ30歳前で若いのに、その若さを全然感じない演技力でした。

「女王陛下のお気に入り」くらい激しい女性の攻防戦かと思ってたので、かなりメアリーの心情に寄った作品だったのは予想外でしたが…それはそれで楽しめました。
なによりも、女王2人の演技力が素晴らしいのに加えて、ロケーションやら衣装やらまで素敵。
彼女たちの歴史をほとんど知らないという不勉強なのですが、それでも楽しめたので、元々から知ってるよって人は抱いていた印象と違って更に楽しめるのではないかなと思います。
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