よつ

岬の兄妹のよつのレビュー・感想・評価

岬の兄妹(2018年製作の映画)
4.3
『さがす』の片山慎三監督の初長編作品。
貧困の中に生きる身体障害者の兄と発達障害の妹。
仕事をクビになり経済的困窮に陥った兄は、妹に売春を斡旋して生き抜くことを決意する。

あらすじだけでもうエグすぎる話だが、不思議とポップでコミカルな雰囲気に仕上がっている。
この絶妙なバランス感覚は、片山監督が『パラサイト』ポン・ジュノの助監督を務めた時に会得したものだろうか。

1時間半、一切無駄なシーンがなくて常に緊張感に包まれる。
露悪的な描写に拒否感を示す人も多いと思う。
目を背けたくなるほど凄惨な現実をこれでもかと突きつけられる。
こういう方々のために税金があるのに行政は何してんだと感じてしまう。役所が介入できない・してくれないことについての描写があるとよりリアリティーを感じたかも。

ウ○コでクソガキを撃退するシーンくらいしかスカッとする場面がない。

意味深で不穏なラストは、簡単にこの話を咀嚼させてくれない余韻を残す。
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