クリムゾンキング

炭坑のクリムゾンキングのネタバレレビュー・内容・結末

炭坑(1931年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

20世紀初頭に実際にあった炭坑事故を元にした作品。
フランスとドイツをまたぐ炭鉱でガス漏れによる落盤事故が起こり、フランス側の坑夫が生き埋めにされる。
その自体を知ったドイツの炭坑夫たちは救援隊を結成し助けに行く。

落盤事故の模様はインパクトのあるカット割りになってるとかそういうのではなくてただただ単純に「すごい」
上から材木や土砂が容赦なく降り注ぐ様は本当に恐怖。

生き埋めにされ極限の精神状態で疲弊していたがため救援に来た坑夫たちがドイツ人だとわかると戦争さながらの剣幕で襲いかかってくる人や、孫を探しに単身潜る爺ちゃんなど印象的な人も多い。

そしてちゃんとフランス語とドイツ語で話されていて、うまく伝わらないジレンマなどもよく演出されている。

戦争でいがみ合ったけど話し合って団結すればより良い未来が作れるじゃないか、と演説して大団円かと思いきや、その後にせっかくぶち破った境界線を上層部が何事もなかったように修復させるあたりこの後の戦争での両国の行く末を考えるとやるせなくて仕方ない。