ハレルヤ

この世界の(さらにいくつもの)片隅にのハレルヤのレビュー・感想・評価

4.2
太平洋戦争真っ只中の時代。広島県呉市に嫁いだすず。明るく日常を過ごすもそこへ戦争の影が忍び寄り、苦境に見舞われる。激動の時代を生きたすずと周囲の人々の姿を描いたアニメ映画。

大ヒット映画「この世界の片隅に」に約42分の未公開シーンを追加したバージョン。オリジナルがかなりの傑作だったので、今回はどんな仕上がりになっているのか期待しての鑑賞でした。

大まかな流れは変わりませんが、遊郭でのリンとのエピソードが大きな追加。他にも細かい追加シーンが多くありましたが、すずに纏わるエピソードが多く、オリジナルよりも彼女の心境に深みが加わる形になっています。

改めてこの作品を見ていると、戦争により日常から非日常へと突き進んでいく様子がじっくり描かれていて、身近なものに感じ取れます。

身内を亡くしたり、大怪我を負ったりと後半に次々と起こる不幸の連続。胸が食い潰されそうになりましたし、現実にもすずのような思いをした人もかなりいたでしょう。戦争における一般人が受ける苦しみが伝わってきました。

そしてラストシーンでの僅かな希望では何度見ても泣きそうになるほどの感情になりましたね。元々のバージョンと本作のバージョン、どちらも非常に高い完成度。まだご覧になっていない方はどちらからでも構わないと思うので是非。
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