歴史的背景を酌めないので頭の悪い言い方をしますけれども。
仇役の、下品で小賢しく極悪非道な振る舞いが描かれる毎に、ぶっ殺してくれこいつを真っ逆さまに地獄に落とすみたいに胸のすくやり方で絶対にぶっ殺してくれ、と思わされる訳ですよ観客として。
だからこそ、復讐に執着をしてではなく怒りに衝き動かされ盲いた自らの状態が分からなくなっている主人公の、その危うさに心配を思いながら画面に引力を感じる訳ですよ。
自らに対する恐怖が内側から湧いた事に主人公が戸惑ってからの流れ、復讐劇としての行方が怪しくなった段にも集中力を保っていられる訳ですよ。
でも正直、劇場の外で配信だったりソフトだったりで観た場合、更にトイレなんかで一時停止をしたとなったら絶対に、途中で飽きただろうなとは思いましたよね。
懊悩を描く為の必要な尺をとったのだろうとは思いますけれども、だったら前半の、盲滅法な主人公の暴走をタイトにまとめてもよかったんじゃないかと思いましたよね。
という事で感想としましては、劇場で観られてよかった、と。