なんて表現をしたらいいのか分からないけど、真実を映し出す美しく感慨深い作品でした。
時間は190分もあるけど物語に引き込まれて見入ってしまった。
あらすじは、ナチスドイツ政権下で愛する叔母を安楽死政策で殺されたクルト少年が大人になり、なんの因果か恋に落ちた女性の父親がその張本人で、誰もそれを知らないまま時は過ぎていく、クルト(トム・シリング)は画家なんだけど、東ドイツの芸術に疑問を持ち、西ドイツに亡命をして創作をするも自身の作品を否定され、悩みながら自分の作品を生み出し、真実を描いていく、すると交差するものが…って物語だけど、別に誰かを追い詰めるような話しではなく本当に数奇な運命を描いた話。
自分も画家を目指していたことがあったから、美術学校での自分の創作への苦しみみたいなものがよく分かってスッと入ってきて、美術学校の教授が的確って言うか自分自身の表現の仕方を教えてくれるのがよかったなーって感じた。ラストシーンからエンドロールへの余韻に浸れる感じもよかった。
ゲルハルト・リヒターがモデルになってるみたいだけど、自分の表現に辿り着いたからこそ画家として成功したのだろう、そして芸術こそ自分の自由の表現手段である。