チダ

7月22日のチダのネタバレレビュー・内容・結末

7月22日(2018年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

緊張感に常に息が詰まるような映画だった。
前半はテロの緊張感、中盤は主人公と家族にまつわる緊張感、終盤は犯人と主人公が結末へ向かう緊張感にずっとハラハラしてた。
背景のノルウェーの街並みと雄大な自然がずっと美しく、人々を冷たく突き放しながら静かに閉じ込めるような画で映るたびに見惚れた。

一緒にテロに巻き込まれたけど無傷だった主人公の弟が音楽やるから…って部屋に入ったのを弟を逃して怪我したお兄ちゃんの主人公が「(怪我のせいで)両親が自分につきっきりでごめん」って言ってあげるところで未来ある若者、テロの被害者、傷つけられた青年が一気に「弟を気遣う兄」の姿になったのなんかすごい泣いてしまった。
スノーモービルで吹雪のズヴァールバルを爆走するところも良かった、全身から伝わるやり切れなさと絞り出すような叫びが見てて辛かった。
1割以上が移民で死刑制度のない先進国ノルウェーで十年以上前に起きた惨劇とそれを取り巻くやりきれなさと悔しさを抱えて這いずるように少しずつ明日へ進もうとする人たちの映画だった。
チダ

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