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ROMA/ローマのiceblueのレビュー・感想・評価

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)
4.4
彼女は自らの痛みに耐え、左側を見つめ続けた。何が起きているのか不安な気持ちで左側ばかり気にしていた…年若い家政婦クレオの身に起きた残酷な出来事。
口数少ない彼女は様々な想いを胸に秘め、仕事をこなし子供たちを愛し懸命に生きていた…
そんな彼女を見ていたからこそ、あの浜辺の一言の重みが深く深く胸に刺さる、悲しみと安堵に満ちたシーンでした。
   
ユーモラスな車庫入れや元気すぎる犬。
カッコばかりの武術。(あの彼は虚勢を張って生きるしかなく、武道を盾に心を置き去りにしてしまった)
広い家を駆け回る子供たちや街の雑踏、山あいの豊かな農地や山火事の消火など、様々なモチーフやシーンが生き生きと描かれ、すみずみまで鮮明な映像美は見応えがありました。
 
モノクロより柔らかく、セピア色に見えたこの風合いがセンチメンタルを呼び覚まして、洗濯場の泡や水たまりに映る空までも愛おしく、風や光を肌に感じるような瑞々しさが魅力。
勿論それは、スクリーンで観たからだと強く思いました。