Ag21

ROMA/ローマのAg21のレビュー・感想・評価

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)
4.3
悪い予兆は何度も現実になってしまう。
こんな境遇では、クレオでなくとも片親で子供を育てる自信も、そこで育つ子供に幸せなど無いように思える。
彼女が予兆に抗い救おうとしたのは、生まれて欲しくなかった自分の子と同様、不幸な境遇にあたる子供達なのかもしれない。
矛盾した自身の行動に初めて本音を吐露したのは、境遇など関係なく存在しうるささやかな愛を思い出したからだろうか。だとするとものすごい生の肯定の映画だ。
これだけ大変なことがあってもまた日常が帰ってくる。クレオにはどうか平穏な日々をと願う一方、出来事を目撃した私達は忘れることなくその目で私達自身の日常を見つめなくてはと思った。
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