Osamu

冬時間のパリのOsamuのレビュー・感想・評価

冬時間のパリ(2018年製作の映画)
4.0
現実(リアル)とは異なる「もう一つの世界」を誰もが持っているのかもしれない。そこは自己愛を動力源として回る、都合の良い世界。

この映画の登場人物は、「もう一つの世界」を簡単に捨てているように見える。自己愛のみでは世界は永くは回らないのだろう。

現代を生きる我々は、簡単に捨てられる「もう一つの世界」により多くの時間を費やしているのかもしれない。

会話が膨大で集中力が必要な作品だが、ストーリーの流れや大きなテーマらしきものに関係あるものとないものを選り分けながら観るのは案外楽しい。関係ないものに選り分けられた会話の中にも示唆に富んだものが紛れている。
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