史上最悪の総理と評される悪徳な男が記憶喪失の影響によって普通の善良な男となり、なんとか総理の仕事を全うするブラック・コメディ。
名優たちを取り揃え、数分に1回のペースで笑えるのは三谷幸喜監督作として安心安定の出来栄え。相変わらず「こんなことを大物俳優にさせるの(笑)」がタップリ詰まっている。また、中井貴一さん演じる総理が記憶喪失により、喪失以前に持っていた権力や欲望といった政治のしがらみから解放され、人間らしい正義を全うすることに清々しさがある。加えて、大人時代の記憶は忘れても子供時代の記憶は忘れてないという総理の設定から、大人になっても子供のような純真さを忘れてならないと思わせてくれる。汚い世界に棲んだとしても、清い心を持ち続けて欲しいという願いが本作に込められてるような気がする。
⭐評価
脚本・ストーリー:⭐⭐⭐⭐
演出・映像 :⭐⭐⭐⭐️
登場人物・演技 :⭐⭐⭐⭐
設定・世界観 :⭐⭐⭐
星の総数 :計15個