ほのか

ラストレターのほのかのネタバレレビュー・内容・結末

ラストレター(2020年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ネタバレというかめちゃくちゃわるぐちです。すきなひとごめんね。





大まかな筋はすきなお話しなのに、細かい骨組みにツッコミどころが多すぎる。気持ち悪い・イライラする・モヤモヤするの3本柱で成り立ってた。ほんま段々怒りの気持ちの分析に忙しくなってお話どころじゃなくなったよ。あ〜イライラする…。わたしは邦画に期待しては裏切られをこれから何回繰り返すんやろうか…。いい加減学びなはれ。



なんで?って聞くことを怠り、好奇心にかまけてなんでそうなったかを説明することを怠るん、ほんまご都合展開の悪いところやで。みんなそうやん。みんなそうやってなんとなくでやってるからやりたいところへ行き着くための矛盾ばっかりのストーリーになるんやん。
あと初めましての赤の他人に対してオープン過ぎて変に察しがよかったり、逆に空気が読めなかったりするんめちゃくちゃ違和感があった。なんだあれ…なんだあれーーーー!!!




いちばん、あかん!!ってなったのが乙坂が同窓会の夜にもう未咲ではなく裕里だって気付いてたってところ。これのせいで乙坂がまじで気持ち悪い人になってたよ。高校生の時に自分に告白してきてくれた、心からすきだったし今もすきな元カノの妹が何故か彼女のふりをしている、なんでかわからんけどまあなんでかは聞かんととりあえず今もあなたのお姉ちゃんに恋してますって伝えよ、ってなるか!?!?ええ年した中年のおじさんがなるかそれ!?!?気持ち悪すぎやろ!!!どんな神経しとんねん!!
あとですね、本出したの別れたあとなんですよね??ガチの本名で元カノのガチの名前のタイトルの過去の恋愛思い出小説出してんの、めちゃくちゃ気持ち悪くないですか…????そんなそこまですきで、彼女の名前を冠した小説を出すことを彼女が許すような関係で別れるってどんな経緯やねん。というか「小説読んだ?」って聞いてきたってことは未咲に許可取ってないんか?そうなってくると恐怖なんですが。
賞獲ったってことはある程度の人たちはその本を彼が彼女のことを想って書いたってことを知ってる/察した人がいると考えるのが妥当だと思う。大学生の時付き合ってたって言ってたし、高校卒業からそんなに月日が経ってないうちやのに高校の同級生が誰もそれに気づかないなんてないと思うねん。そのあと鳴かず飛ばずやしで踏んだり蹴ったりで全部踏まえて絶対気まずくなるやろ…って考えられる同窓会によう何食わぬ顔でしれっと出席できるな…鋼の心すぎるやろ…。
この映画で唯一、乙坂が2人の写真を撮るシーンだけはすきな撮り方やなと思えたけど、あなたそれ今後その写真を見た時どんな気持ちになるの…?って疑問が心をかすめてしまってまた気持ち悪くなった。



え〜、裕里さん、姉の同窓会に説明するためにわざわざ行く必要が…?完全に同窓会に参加する格好やったやん…?無理があるよ。先生の家にチャイムも鳴らさんと上がり込んで「鍵空いてましたよ〜」とか人として大人として親として常識考えてほしい。乙坂上げるならリップよりもまず手紙片付けるやろ。もうほんまそこちゃうやろ!!ってところがありすぎてこの人の思考と行動の全てが気持ち悪い…。大学生になって姉と疎遠になったって言ってたけど、それでもあの小説の存在全く知らんってことが信じられへんわ。ちょっとこれは自信がないんやけどバス停に追いかけてきた時も「乙坂先輩だ…」って反応がなかった気がしたねん…。少しぐらいあっても良かったと思うのに「エッ…何この人…」って感じているようにしか見えんかったのが、こう話がわかっていくにつれて変に感じた。あと乙坂に最後「ヒーローですから」って言うけどこの映画の中で乙坂、過去現在含めてヒーロー然とした行動の描写が皆無すぎたのでなんだこの茶番としか思えない。乙坂のこと、乙坂と未咲のことを知れば知るほど100年の恋も覚めるし500年の憧れもなかったことにしたくなりそう…と思いました。

義母にも言いたいことがありますよ、わたしは。あんなに図々しく上がり込んできて図々しく泊まって…はまあ百歩譲っていいとしても、自分が救急車で運ばれようときにその場に義理の娘がおったこととその義理の娘が昼間にやたら出かける(先生の家に行くため)ことに対してなんも言わんのが気持ち悪すぎて…。そういうところ回収できんのならもうちょっと考えて設定組んでよ〜。


あとこれはあえて描かなかったのかもしれないけど、わたしは鮎美さんの感情もうちょっとほしかった派です。乙坂と別れてからの未咲の様子は鮎美がいちばん知ってるわけで、その未咲の心のいちばん近くにいた鮎美の母への感情描写が「お母さんが亡くなって悲しい」だけなんか…って思ってしまったな…。「手紙は宝物だった」「もっと早く来てくれたら」だけじゃなくてもっとあの時の母はどう見えたとかどういうことを言ってたとかこの手紙とこの小説に対して何か言ってたとかが聞きたかった…。


あとからじわじわこの描き方辛いよ…ってなったことがあって、旦那さんが「犬の世話?君がするんだよ」って当然のように言って裕里もそれを受け入れてしまったところ。それがもうほんっっっっっとに嫌やって、そのほかももろもろこの家族のなかにある旦那さんの姿にもやもやしてた。でも結局この人はこの映画の中で何かが変わる人ではなかったね。まあ筋逸れるから仕方ないんやけど。こういうひとがいて当然でこういう家族が当然なの嫌すぎて拒否反応がすごい。
同じような観点でもうひとつ、颯華が鮎美に学校行きたくない理由を話したら鮎美が大笑いしたところ、なんであんなに笑ったんやろう?わたしは全然笑えなかったよ。可愛いなって笑っちゃあかんやろ。真剣に悩んで学校行きたくないって思ってしまうようなことを笑い飛ばされると傷つくひとがいると思うんやけどなあ…。




すごい細かいところの話。
・でてくるおじさんみんな髭!!しかもみんな同じような髭!!なんで!?!?
・乙坂のサインが激ダサ
・取り壊される寸前の校舎にみんなホイホイ入りすぎでは
・神木くん、転校してきたとき夏?ぽい感じやったとにひとりだけブレザーまでちゃんと着てた…夏服でええやん…
・鮎美と颯華のAラインワンピース、素朴で可愛いけどなんか胸の位置高ない?
・犬1回も鳴かんかった気がする。