しばいぬたろう

スネーク・アイズのしばいぬたろうのネタバレレビュー・内容・結末

スネーク・アイズ(1998年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

『スネーク・アイズ』('98)
Snake Eyes / アメリカ合衆国 / 英語

物語展開やキャスティングや音楽など、映画全体の構成は全く特筆することはないのだが、カメラワークが際立っているので、それだけで鑑賞する価値はある。


嵐のような風雨が襲う夜。
チンピラからお金を巻き上げて賭け事に興じ、妻子がいるにも関わらず愛人を囲っている汚職警官リック・サントーロは、もうすぐ撤去される予定のアトランティック・シティのアリーナで開催されるボクシングの試合を見に来ていた。
そこで幼馴染で中佐のケビンと再会する。
国防長官がこの試合を観戦しに来ており、ケビンはその警備責任者だった。
一万人を超える客が集まる中、いよいよ試合のゴングが鳴らされる。
 
ケビンが向かいの観客席で赤毛の怪しい女の存在に気がつき、一人席を立つ。
その空いた席に今度は謎の女が座り、大臣に何やら話しかけている。
試合に夢中のリックは横目でその様子を確認する中、チャンピオンのボクサーがまさかのダウンをしてしまう。
さらにその直後、何者かによって大臣が狙撃される。
犯人は狙撃現場の近くにいたケビンによって射殺されるが、謎の女の存在はわからないまま。
持ち場を離れたケビンが軍法会議にかけられる可能性があるため、リックは事件の捜査に乗り出す。


冒頭の長い移動しながらのワンカットは大変印象的な仕上がりになっていました。
銃撃までの約10分間、舞台の裏側からリングを巡っていき、主人公の人間性や人間関係を会話の中で描いていく。
ボクシングの試合は一つも映されない点も、その後の物語展開にとっても描き方の一つ。
しかし観戦者の様子などから、試合進行はわかる。
その後も、証言者たちの当時の映像を彼ら目線でおっていくという手法も面白い。
全体的に映像展開が秀逸だった。

その一方で、他の要素を疎かにしてしまった印象を受けた。
良い俳優をキャスティングしているのだが、こだわりやオリジナリティーはなく、よく見る役を演じているだけになっており、そのせいで既視感溢れる作品になってしまった。
ゲイリー・シニーズに至っては、『身代金』のせいで驚きも何もない。
ルイス・ガスマンやスタン・ショウに至っても同様。

物語に関しても予想とおりな展開・驚き要素・結末で、面白みや興味深さは特にない。

また、緊迫したシーンでの音楽も合っていていいのだが、特に印象的なこともなく。
主題歌は寧ろ映画の世界観に合っていないと思う。

主人公はクズ男だし、防衛システムがあーだこーだ言われても面倒なだけ。

結末に関してもパッとしないし、カメラワーク以外に特に言及することがない。
恐らく1999年以降の主演二人の作品が未鑑賞であっても、楽しさ2割増しくらいだろう。
しかし、前述のとおり、カメラワークは本当に良かったです。


【ジャンル】サスペンス映画
【要素】ボクシング
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