えにし

永遠の門 ゴッホの見た未来のえにしのレビュー・感想・評価

3.6
人生とは誰の目にも触れることのない自画像を描き続けるようなものだと思っているのだが、彼はそれを地で行く人だったのだろう。誰にも理解されず孤独の闇に包まれたからこそ、彼は光を求めた。光と影の相克に、彼の視界は、カメラは、揺れてまどろむ。自分が正しいと、美しいと思ったモノが、間違っていて、汚れたモノかもしれないとしても、それを信じ続ける覚悟はあるだろうか。その継続はある場所では狂気と呼ばれ、ある場所では愛と呼ばれる。瞬間に永遠を見つけた。けれど放っておいたら永遠でなくなってしまう。しかしキャンバスの上に残せば美しいままだ——彼が絵を描くエナジーはきっとそんな単純さから生まれていたのだと信じたい。瞬間のなかの永遠をつかまえて離さないように、芸術家は創作を続けるのだと、俺は思う。根っこをきれいだと思う?と子どもに聞かれたシーン、"花は美しく トゲも美しく 根っこも美しいはずさ"と魔法のコトバが俺の頭の中で響いていた。
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