このレビューはネタバレを含みます
父と息子の物語。
学校で大きな喧嘩をした10代の少年ナウエルが、実の父のいる山奥へと間借りに行く。
そこには後妻さんと5人の娘と、ハンターである父。
怒れる10代であるナウエルは露悪的な態度を示すけれど、この年頃特有のこれは自暴自棄や愛情の試し行動、薄っすら考えたり考えなかったりする自分の将来や、実際はとても狭いのに世界のすべてだと思っている自分の周りの事でいっぱいいっぱいになっているだけで。
終盤の彼は あぁ一つ成長したんだなぁって感じがして良かったなぁ。
あまり関係性がちゃんと語られないけれど、再婚した母は以前に亡くなっていて、継父と二人の生活ってだけでも、多感な10代には息苦しいものもあったんだろう。途中で一度会いに来る継父へ向ける笑顔が、ずっと気を遣ってきたのかなと思わせる。
継父も決して悪い人ではなくて、ちゃんと彼の事を考えて送り出し、会いに来てくれて帰って来ないかとも誘ってくれる、愛情のある人。
それでも、父親と息子 と言う関係性には言葉に出来ないものが沢山あるんだろうな。母と娘に比べてよっぽど難しそうだけれど、その分言葉にしないものや働く背中、そういったもので伝わる愛情が深そうで良いなぁと思った。
ラストシーンの二人の表情も良い。
それにしても、山の合間の学生達も、ちゃんと10代やってるんだな~って微笑ましかったな~