しーかず

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語のしーかずのレビュー・感想・評価

4.3
本当に素晴らしい映画。純粋でやんちゃな4姉妹の人生。いつも一緒だった4人が徐々にそれぞれの人生に枝分かれしていくことに気づき始めるところや、主人公的役割の次女ジョーと末っ子エイミーとの関係性やローリーとの恋愛。病気がちな三女ベス。様々な角度でとてつもない切なさを感じる。切ない話の中で、姉妹や周りの人の仲の良さや無邪気なやり取りで終始明るい雰囲気を放ち続けてる。良いやつなんだけど自然と女性をその気にさせてしまうローリーをティモシー・シャラメが絶妙に演じてた。現実と回想の構成も上手い。一番グッときたのは、ベスの死以降のシーンで、姉妹の心に常にベスの存在と居なくなってしまった悲しみを感じたこと。ジョーがベスに捧げる気持ちを持って若草物語を執筆する結末へも繋がっていくし、ベスの死は終盤の一番重要な出来事だったと思う。また、当時の「女性の幸せは結婚すること」という考え方や現実への疑問や、抗って力強く自分の人生を生きようとするジョーが中心的に描かれることによって啓蒙的な部分も含まれていた。ジョーの凝り固まった社会の常識に抵抗する気持ちが、恋愛に対する少し偏った拒否反応を生んでしまっている気がするし、最終的な収まりどころもジョーの人間としての成長を感じた。キャストもかなり豪華。名作だと思った。
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