素晴らしかった。特に映像は米アカデミー賞獲るだけあってアクション映画としても最高峰。火炎砲を吐き出すシーンは迫力に鳥肌が立つほどだった。「シン・ゴジラ」とは違うテイストで、それぞれ監督の味が出ててどちらも大好き。今作に関しては戦後間もない日本が舞台で、戦争の傷跡が街にも人の心にも残っている様子が描かれているのが印象的。政府目線で描かれた「シン・ゴジラ」よりもむしろゴジラの恐怖がリアルにスリラーテイストで映し出されていると思った。そしてキャストが豪華なだけでなく、全員の演技が素晴らしい。山崎貴節なんだろうけど、どのキャラクターも魅力的で思い入れを抱けた。クライマックスの展開も色んな人の様々な思いが入り組んでてすごくグッときたし、ただのハッピーエンドではなく何か不穏なものを感じさせる素晴らしいスリラーエンディング。ラストの典子の痣（ゴジラ細胞）や、敷島が中盤浴びた黒い雨。彼らにこの先どんな運命が待っているのか、戦争や放射能に対しての強烈なメッセージ性も見え隠れしているように感じた。
