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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語のzhenli13のレビュー・感想・評価

3.4
小学館から出ていた「国際版 少年少女世界文学全集」の数冊を小さい頃買ってもらった。後年ときどき古本で見かけたので当時一般家庭で割と需要があったよう。函入ビニール装オールカラー、なんといっても子どもにすり寄らないリアルな挿絵が好い。良いものを買ってもらったなぁと今でも思う。その中に「若草物語」があったのだけど、幼い私は現実的な物語にあまり興味がなく幻想的な荒唐無稽な物語を好む傾向にあった。なので同シリーズの「ピノッキオの冒険」と「ガリバー旅行記」ばかり読んでいた。この2冊とも挿絵が子どもに容赦ないリアルさでトラウマレベルで怖いのにこの2冊ばかり読んでた。本当に良いものを買ってもらった。ガリバー旅行記なんかちゃんとラピュタやヤフーが出てくる完全版。しかし「若草物語」は本当に記憶が朧げ。ハウス名作劇場でもやっていたけど観てなかった。という程度の認識でしかなかったが、今日観てたら結構覚えてるエピソードがあった。池でスケートしてて氷が割れるエピソードもあーあったなーと。ただラストは全く覚えていない。どう終わるんだったっけ?

なんか姉妹が4人もいながら陰湿ないがみ合いもなく身体でぶつかってスキンシップとりまくって、という家庭の中で社会性がガンガンに育ちそうな関係が単純に羨ましかった。ナポレオンジャケット着て天使のようなウェーブの金髪が野放図なシアーシャ・ローナンははち切れんばかりで、ティモシー・シャラメもその動きといい体躯といい、本当に今が旬!て感じ。
いやしかしその中でもローラ・ダーンが素晴らしいと私は思った。
ジョーの「若草物語」が製本されていく過程を、糸綴じの鋸引きから表紙のくるみ、箔押しまで丁寧に見せてくれるのが嬉しかった。

結婚するとかしないとか、結婚したら負けとかを超えて、自立と同時に格差を超えた連帯を得るという結末に、グレタ・ガーウィグの新たなフェーズをみた。
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