浅田和則

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語の浅田和則のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

戦争中、女性の幸せは「結婚」だと定義されていた。

誰かに決められたレールを頑なに否定して、家族がいれば幸せだと思っていたジョーは最愛の妹を失い、姉やもう1人の妹の結婚によって自分を考えていた幸せが掌から溢れていく感覚に陥ってしまう。

作家として大成する夢を持っていたが、戦時中という時代背景もあってか書く物語はハッピーエンドを求められる。

自分を殺して書いていた原稿もなかなかうまくいかない中、最愛の妹から「作品が売れる前からあなたは作家」、「私のために書いて」と言葉を貰う。

その言葉をきっかけに自分の在り方を導き出し、自分自身をコンテンツにした長編を書き上げる。

SNSで成功者のエピソードが絶えず流れ、片や芸能人の不倫など誹謗中傷が大々的に取り上げられる今日。

周囲を気にせずにはいられない、現代に「自分にとっての幸せとは?」を問い、
自分軸を取り戻させてくれる、そんな作品だと思う。
浅田和則

浅田和則