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37セカンズのFHTのレビュー・感想・評価

37セカンズ(2019年製作の映画)
4.0
想像以上のリアリティーとバイタリティーを観せつけられた。

ハンディーを持つ女性ユマが漫画家のゴーストライターをしている。個人でも漫画を描いている。
その中で性描写を描いている時、ふと女性が尋ねる。「あなたセックスした事あるの?」「経験したらもっといい絵が描けると思うよ」と言われる。

ユマは性への関心が深まり、アダルト動画を見て絵を描きつつオナニーをする。その時出会い系の広告が表示される。

それがきっかけで外の世界へと進み行く。
ここまでなかなかディープな話にも関わらず、今作は清々しく希望に溢れているように撮られている。ここが素晴らしい。


そこから外の世界で複数の人とデートをするも、やはり障害者というものの嫌悪感が次へのステップを遠ざける。

ユマは結果男性風俗に手を出した。
が、初めての経験なので緊張のあまり失禁してしまう。

ここまでで彼女がどれだけの成長を遂げただろうか。やはり良きにしも悪気にしろ行動が全て。その結果今がダメでも後に良くなっていくもの。逆に行動しなかったら、その時はよかったと思うかもしれないが、いずれ前に進むキッカケを逃し、いつまでも進めず留まってしまう。

そして母親にいつも面倒を見られている事に苛立ち反抗してしまう。
「大人なんだから自由にやらせてよ」とユマが言うと母は「自分1人じゃ何も出来ないじゃない」と突き放す。
実際の所助けられているのは事実。足が動かない状態で1人で行動するのがどれだけ大変か。そんな事分かってる。だけど、いつまでも甘えたくない。と強い気持ちがユマにパワーを与える。

そうして人生は広がっていく。
1人歩み出し経験を積むことがどれだけ価値のある事か。
そしてどれだけ人を強くする事か。

決して逃げる事もせず"自分らしい"人生に挑戦している彼女に沢山の勇気をもらえました。
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