コードギアス 復活のルルーシュの千里のネタバレレビュー・内容・結末

テレビアニメ「コードギアス 反逆のルルーシュ」の続編的な内容だが、本作はあくまで総集編且つ新規カットや新しい要素の入った劇場版三部作の続編という位置付けの作品なので、テレビ版の世界とは異なっている部分もあるという位置での続編作品。ファンムービーとしては楽しめた要素もあるが、"悪くはない続編だった"といったところだろうか。

見事な締め方だった反逆のルルーシュのラスト。あのラストからルルーシュを復活させるだけの納得出来る理由が一番不安だった要素なのだけど、その不安が杞憂だったのは良かった。ルルーシュの生存自体は一応筋は通っているし、CCの目線で考えれば気持ちは分からなくもない。ただ問題なのは全てが終わった後のルルーシュの扱い。勿論せっかく復活したのだからまた死なせるのもどうかとは思うが、それにしても今まであれだけのことをしておいてゼロはスザクに押し付け、自分は普通に生存を受け入れてCCと自由に旅をするという結末は如何なものだろうか。勿論本作はCC目線で観てハッピーエンドな物語ではあるのだけど、周りのキャラ（特にゼロを押し付けられたスザク）はもっと文句とか言ってもいいのでは⋯。あっさりルルーシュの生存を受け入れているところはちょっと共感できなかった。ルルーシュの復活自体には各キャラ共一応一言なりルルーシュが生きていることに否定的な反応を見せていたからこそ納得も出来たのだけども。死なせろとまでは言わないが、もう少し納得出来る結末にして欲しかったな。

それから映画としての粗というか、気になった部分。敵のギアスが死んで時を遡るというものなのは良いのだが、それに対するルルーシュとCCのの攻略法が矛盾している点が気になる。CCにはギアスが効かないからというのは分かるけど、繰り返すたびにルルーシュたちは忘れているわけで、その度に説明する描写もないから視聴者には一見ルルーシュも全て覚えてるように見えてしまう。描写されていないところでCCが説明してるんだろうなという視聴者に補完させるような作りは不親切に思えた。また、CCにギアスが効かないのなら、何故最初に繰り返した時に繰り返したことに気づいていないのかも説明がつかない。この辺りはちょっと制作側のご都合展開感を感じで残念だった。

あとは劇場版三部作でテレビ版とは違い生存したシャーリー。テレビ版での彼女の死は未だに納得できていないので、劇場版三部作での彼女の生存は素直に嬉しい。しかし生存した割には本作では活躍がほとんどないので、もっと出して欲しかったなと。

と否定的な部分も多々あるが、嘗て敵対していたキャラたちの共闘は素直に熱くなったし、ルルーシュの復活や各キャラのルルーシュに対する反応なんかはとても良かったと思う。ナイトメア戦はもうちょっと新しさが欲しかったところもあったけど、スザクとカレンが機体の相談しているシーンや、ランスロットと紅蓮の登場は分かっていてもテンションが上がった。

纏めると、上述したように全体で見れば悪くはなかったし、良かったところも多々あった（故にスコアは甘め）のだけど、ギアスならもっと出来たんじゃないかなと思ってしまった。