ぽーちゃん

楽園のぽーちゃんのレビュー・感想・評価

楽園(2019年製作の映画)
3.1
試写会当たりました!!!!

どうしようもなく重くて、しんどいストーリーだった。
山口連続殺人放火事件をすぐに想起させる村社会の閉塞感は、ただ特異な地域だけのことではないのだと、過疎の村を知る私にはものすごく胸に迫った。
また、災害や事故で災禍を免れた人達が背負う、全く不必要で理不尽な罪悪感や自分に対する不要感。
そういうことから私たちは目を背けてはいけないのだ、、、、、と。

杉咲花ちゃん『夜行観覧車』で“この子はタダモノではない💦💦”と思ってたんだけど、いやぁ、力あるわ!
『怒り』の宮﨑あおいや広瀬すず、『三度目の殺人』の広瀬すずのような役柄なのだと思っていたけれど、もっともっと深く長く潜行できる役者さんだと感じた。
吉田修一の作品は『悪人』もそうだったけれど“根っからの悪人は存在するのか??”“人が人を悪人に、モンスターにするのではないか?”という深い問いを内包している。
柄本明は被害者遺族の怒り、悲しみを演じているのをよく見るような気がするけど、やはりその印象が強すぎて、またおんなじような役💦💦という既視感に囚われてしまう。(『悪人』での父親が本作では祖父になっただけ、、、、のような、、、、、)

人を追い詰め、孤立させるのは人、自分で抱えきれないほど大きな悲しみに出会った時にはscapegoatを造らずにはいられない人の小心さと残虐さ。それは、人間が逃れられない哀しい業で、綾野剛と佐藤浩市は、その哀しみを静かに滲み出させる迫力!

救いは虹朗くん。
とても儚い救いではあるけれど、、、、。杉咲花ちゃんに光を与える。
まさに「一縷」の光を、、、、、。

この作品には答え合わせはなく、ひたすら私達観客に問いを投げかけて終わるけれど、原作を読みたくなった。
ぽーちゃん

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