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楽園のNTのレビュー・感想・評価

楽園(2019年製作の映画)
4.0
人が死んだ日よりずっと前から殺人事件は始まる。



個人の見解です。
良質な映画や音楽などの芸術文化って
大衆を楽しませて経済を回すこと
も重要かもしれませんが、
例えば「死にたいな」とおもっている
圧倒的孤独を救うことも
芸術文化にしかできない役割だと
思うので、そうゆう意味で
綾野剛にしかわからない痛みとか
杉咲花にしかわからない痛みとか
狭い集落の一部しかわからない
見えないルールとか
法で裁けない罪とか
ある種、都会よりも遥かに冷たい環境や
心情を描いたこの映画は
僕はとてつもなく好きです。
好きですというか、
なきゃいけない映画だなと。
孤独に殺された青年。
孤独に狂わされた男。
孤独を生き延びる少女。
の孤独を経験した三者三様の違いも
見終わってから感じた。


安い言葉な気がするが
多様化がもう少し進んでいれば
誰も死ななかったことと
実際に生命が途絶えるよりも
苦しい心の傷みたいなものが
この映画の伝えたかったことかな
という気がする。

このような余所者を嫌う集落にこそ
映画のような余所の文化が
あればよいのにと思う。
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