MasaichiYaguchi

恋恋豆花のMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

恋恋豆花(2018年製作の映画)
3.4
東欧を舞台にすることが多かった今関あきよし監督が台湾を舞台に、ヒロインで大学生の奈央の、父の3度目の結婚相手である綾との旅行を描く本作は、エキゾチックな風景や、スイーツをはじめとした美味しそうな料理の数々、そこで偶然出会った人々との交流を、時にユーモラスに、時に詩情豊かに映し出していく。
私は台湾に行ったことはないが、「千と千尋の神隠し」のモデルとなったロケ地が登場したり、少し前の日本の路地裏を彷彿させるような場所も出てきたりして親近感を覚える。
奈央は良く知らない2人目の継母と台湾旅行することに不満があったが、大学生活にも恋愛にも嫌気が差していて、仕方なく気晴らしで行くことにする。
この旅では台湾らしいお寺や市場、屋台街が出てきて異国情緒を楽しめるが、何と言っても台湾グルメが映画の大半を占める。
焼き餃子や焼売、ソフトクリーム等、日本でもお馴染みのものも出てくるが、タイトルになっている中華デザート「豆花」や、臭豆腐、小籠包、牛肉麺等が登場し、味が想像出来ないながらも涎が落ちそうになる。
ロードムービーである本作では、奈央と綾は様々な人々との出会いによって少しずつ変わっていく。
特に頑なだった奈央は、美味しい台湾グルメとの出会いによって心の方も満たされていき、綾との“距離”が近くなったり、前向きになっていく。
新型コロナウイルス感染症の拡大によって様々なイベントが延期・中止となり、旅行もキャンセルが増えている昨今だが、この感染症が落ち着いたら台湾にグルメ旅行したくなりました。