バレリーナを夢見る少女の性不一致の苦しみを描く。
家族や近親者の理解を得られながらも、過剰な気遣いに苛立ち、心無い好奇心に傷つき、身体的劣等感に苛まれ、感情を押し殺して過ごす姿に息苦しくなった。
形を隠すテープを剥ぐ様子は堪らなく痛く、思い通りに治療が進まないもどかしさが強烈に伝わってくる。
彼女の苦しみを観てるこちらも疑似体験し、一つ一つの行動に共鳴させる演出が凄い。
そしてハサミに行き着く彼女の気持ちが痛みと共に伝わって来て涕涙した。
LGBTQを扱う作品は近年増えてきたけど、こんなに当事者の気持ちに同調できる作品はないと思う。
それでも前を向いて堂々と歩いて行く彼女の姿に色んな意味で勇気づけられる。
素晴らしかった。
監督 ルーカス・ドン
キャスト
ヴィクトール・ポルスター
アリエ・ワルトアルテ
オリバー・ボダル
ティヒメン・フーファールツ
ケイトリン・ダーメン
ファレンタイン・ダーネンス
マガリ・エラリ
アリス・ド・ブロクヴィル
アラン・オノレズ
クリス・ティス
アンゲロ・タイセンス
マリー・ルイーズ・ウィルデルックス
ヴィルージニア・ヘンドリックセン