すあまさえ

Girl/ガールのすあまさえのレビュー・感想・評価

Girl/ガール(2018年製作の映画)
4.5

ララは強い。

誰かに話したいのに誰にも話せない、あの気持ちはどうすればいいんだろう。

感情は全部本人の中に溜め込まれ、いい方向にも悪い方向にも左右する。
心に収まらない分は、涙になって外にでる。

聞いてもらいたいけど、言葉にならない。
本当に自分がどう思ってるかまとまっていないこともある。
次々に質問されると、例えそれが心配であるとわかっていても鬱陶しくなる。悪気なんてない。

私が話し出すまで、優しく頷いて、隣にいて、頭を撫でで、抱きしめていて欲しい。


父親を筆頭に、主治医の先生も、バレエ学校の先生も、ララの周りの大人はみんな優しいし、理解もある。

それでもララは早く女の子になりたかった。

大人からしたら大した事じゃないのかもしれない。けど、ララは今しか生きていないし、今が大切なんだよね。

バレエも女の子になることも、どっちも手放さなきゃいけないの?

この時のララには、先が見えなかったのかな。


ララはあまり声を出さない。
低い声を自分で聞くのが嫌なのかもしれない。
その分、ララはの頷く姿は誰よりも素敵だと思う。ララのいろんな感情が目に宿る。

個人レッスンのシーン。
年配の先生がララを抱きしめる。
ここでバレエを続けるためにはやるしかないの、やるしかないのよ。
先生は華麗なバレリーナを何人も輩出しているけど、夢が叶わずにここを去る子を何百人も見てるはずだ。
あなた自分を追い詰めすぎてるわ。

ララがここにいられるように、厳しく指導する。愛がこもってる。

全てを背負って踊るララは、きっと綺麗だと思う。
すあまさえ

すあまさえ