スワヒリ亭こゆう

フロントランナーのスワヒリ亭こゆうのネタバレレビュー・内容・結末

フロントランナー(2018年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

本作は政治サスペンス映画と言いましょうか、実際のアメリカ大統領選挙を1人の候補者にスポットを当てて映画化しております。

本作の主人公はゲイリー・ハート(ヒュー・ジャックマン)。アメリカ上院議員でアメリカ大統領立候補者の中で最有力候補だったらしいです。
それが経った3週間で失墜してしまったという映画です。

あらすじを知った段階で「何故、大統領になれなかったのか?」
コレは予想できますよね。要するに今も昔も変わりません。不倫は御法度なんですね。
遠い昔は【英雄色を好む】で済まされていた事もあるでしょう。
でも、1988年でもスキャンダルはダメなんですね。
というかクリーンな人ほどスキャンダルに弱い。トランプ大統領なんて無茶苦茶だから不倫ぐらいじゃ驚きませんものね。


で、不倫は正直言って予想の範疇でした。
でも本作のスクープから失脚までの行程が中途半端に感じました。

スクープされるんですが、そのスクープも激弱でしたよね。
決定的瞬間を写真に撮られたわけではなくて、記者も尾行がバレたから直撃取材するしかなくなったみたいな展開なんです。
言いくるめようと思ったらいくらでも出来たのではないでしょうか?
そもそも大統領選挙中に出会った女を自宅に呼ぶっていうのもゲイリー・ハートはアホです。

政治家サスペンスだと僕はシーズン1しか観てないけど『ハウスオブカード』が凄く面白かったんです。
副題が野望の階段というくらいで政治家の表と裏の見せ方が実に面白くて正に暗躍するというのはこういう事だと思いましたね。

それに比べて、本作ではゲイリー・ハート同様、陣営も頼りないし、そもそも奥さんはファーストレディになる気はあるのかなぁ…って思いましたね。
僕のイメージでは大統領選挙中は夫婦二人三脚でやるイメージですが、ゲイリー・ハートは違いましたね。
その時点で弱い候補者なんじゃないの?って思いましたね。


そもそも浮気相手の女役の女優ももっと良いのいなかったかね。
美人だとは思えなかったです。


それと戸田奈津子が飜訳だったんですが、やっぱりこの人の訳って面白くないですよね。
字幕を読んでて何が言いたいの?っていうのが多いです。
本作でもクライマックスの記者会見のシーンで失脚する決定的な質疑応答のシーンがあるんですけど、ちょっと良く分からなかったです。
陣営のスタッフから事前にこう言えっていうセリフがあったのにそれを質疑応答で言わなかったんです。で、失言してしまうんです。
確か記者からの質問は「過去に不倫は?」

スタッフに言われてたのは「私のプライベートに一切触れさせない」的な事だったと思います。
この受け答えで乗り切れるもんでしょうか?寧ろ火に油を注いだ様な気がします。


例えばベッキーは「不倫してません。」と記者会見しておきながらLINEが流出して全部、嘘がバレました。
そのくらい、嘘が完膚なきまでにバレるくらいのスキャンダルが観たかった。
それか記者会見で、もっとハッキリと女性蔑視の発言をしてしまうと言ったアクシデントでも良かったかな。
そもそもブッシュ陣営からのハニートラップとかでは無いのかな?



もう少し、感情が揺さぶられるストーリーであって欲しかったです。
どちらかと言えば腹が立つ映画でした。
最後のハート夫妻は今も婚姻関係にあるというのも要らないなぁ。
奥さんも不倫相手も誰一人幸せに出来ない奴を優秀な候補者だっていう、この映画の宣伝文句も気に入らないです。