なちゅん

フロントランナーのなちゅんのレビュー・感想・評価

フロントランナー(2018年製作の映画)
3.7
今だからこそ問題提起になる作品。
物事の真相は当人たちにしか分からないので、その部分の白黒をはっきりさせずに描いたという点で良作。

ゲイリー・ハートが全くのシロとは言えないし、ゴシップを軽く見た時点でほぼ負けだし、説明もロクにしてないんだけど、果たしてこれは「説明責任」がついて回るようなスキャンダルだっただろうか?マイアミ・ヘラルドが裏も取らずに見切り発車で載せた記事ひとつに、フロントランナーである候補者の可能性、ひいては一国の可能性が潰えてしまってもいいのだろうか?
そしてメディアは、今になるまでこの30年以上変わらないどころかむしろエスカレートしている報道姿勢を顧みるべきじゃないだろうか?報道は裁定者になってはいけない。

ゲイリー・ハートのスキャンダルの真偽はさておき、彼がこの1つの記事で失脚したなら、日本の政治家はほぼ全員政界を去るべきだと思うんだよなあ。
彼らが様々な報道をされながら、大した説明もせず、のうのうと権力の上で胡座をかいているというのは、すなわち世論も報道も見下されていることに他ならない。
なちゅん

なちゅん